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薬局データは地域住民の健康状態をどれくらい反映しているか?

薬局のデータとは,医薬品の毎日の販売量のことです。直感的には,これは,地域住民の健康状態を反映していると思いますが,実際はどうなのでしょうか?

下の図(上)は,国立感染症研究所感染症情報センターのインフルエンザ感染のサーベイランスの結果です。03/04シーズンとは2003年11月1日から1年間を指します。04/05シーズン,05/06シーズンも同様です。日本におけるインフルエンザ感染は,1つのピーク,単純な形で現れてきます。人々は別々にランダムに行動していると思えますから,複雑な多峰性ではなく,下の図のように単峰性の感染パターンは意外な気がします。このサーベイランスから04/05シーズンが前後のシーズンの倍くらいの患者数がいたことが図から分かります。

国立感染症研究所感染症情報センターのデータは,日本全国で約5000観測点(病院など)から1週間ごとに収集したものです。では,たった一店舗の薬局のデータはどうでしょうか?



図(下)は,神奈川県相模原市田名のかもめ薬局のタミフルカプセル販売量の日間変動です。一店舗の薬局データと5000観測点のデータは驚くほど似ています。この一致は偶然ではありませんので,薬局データの社会的重要性を如実に表しています。図(上)のデータが滑らかで,図(下)のデータがギザギザなのは,前者が1週間ごとのプロット,後者が1日毎のプロットだからです。
一店舗の薬局のデータが地域住民の健康状態をよく反映しているのならば,多くの薬局のデータを集計すれば,広い地域の住民,日本全国の住民の健康状態を把握できるでしょう。調剤薬局業界は,現在約5万店舗とコンビニエンスストアの約4万店舗を超える店舗数となっていますから,調剤薬局業界のデータを使えば,日本国民の健康状態を毎日看視することが可能です。

遠くない未来に,日本は「今流行っている病気が分かる社会」から「これから流行る病気,その場所と規模も分かる社会」に成熟するでしょう。

へヴィ研は,そのための研究をしています。