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薬局の待ち時間における患者とのコミュニケーション

薬局の調剤時の待ち時間は,調剤が個別に行われる以上,避けがたい問題であり,薬局は映像や音楽等で対応しているのが現状です。そこで,へヴィ研は薬局の待ち時間を有効に使う方法を提案しています。

薬局には地域住民の健康状態が薬の使用量を通して集約されているため,へヴィ研は薬局データの解析,発信方法を研究しています。そこで,薬局の待ち時間に,薬局からの情報発信を行うというアイデアです。しかし,どのような情報を発信するかが大きな問題です。  

へヴィ研が提案している方法の要約は,

●服薬指導の際の自然なコミュニケーションにつながる話題の提供
●薬と健康に関する情報の薬局からの発信
●エンターテインメント性のあるゲームで情報を発信

です。

薬局における患者と薬剤師との良好なコミュニケーションは,お互いの信頼関係の向上につながるため,服薬指導の際において有効であると考えられます。しかし,薬剤師と患者は初対面の場合もありますし,また顔見知りであったとしても,薬剤師が何かしらの話題を見つけ,患者との会話を自然に開始することは必ずしも容易とは限らないでしょう。

へヴィ研では,薬局の待合室でタブレット端末,スマートフォンなどで手軽に利用できる落ちものパズル型(いわゆるテトリス®型)のシリアスゲームを開発しました。Kuthrill-遼という名前のソフトウェアです。Kuthrill-遼は,多くの来局者の趣味を網羅できるように,自然や芸術等の幅広い分野をコンテンツとして含んでいます。来局者が楽しくプレーできれば,待ち時間の不満が多少とも解消されるだけでなく,Kuthrill-遼の話題が服薬指導の際のコミュニケーションの導入部になるとも考えられます。

薬局においては,患者と薬剤師は薬を通してつながっています。Kuthrill-遼は幅広い分野の一般教養に加えて,薬と健康に関するテーマも提供します。たとえば,OTC薬,メタボリック症候群,生活と運動における消費カロリーです。さらに,高齢者施設でリハビリテーションのために実際に使用している園芸療法の題材も収載しています。

2001年の薬剤師法の改正により,薬局では,聴覚障がい者を含めた薬剤師どうし,薬剤師と患者とのコミュニケーションがこれまで以上に求められています。Kuthrill-遼は,恋愛,結婚,乗り物,動物などの一般的な手話と共に,薬と健康に関する話題として,服薬方法,治療中避けることが好ましい嗜好品,病気の症状に関する手話の写真も収載しています。待ち時間に手話を学びながら,薬に関する知識も習得してもらうという発想です。

へヴィ研は,タブレット端末などを用いたKuthrill-遼の試用とアンケート調査を来局者に依頼し,その結果を解析しています。なお,Kuthrill-遼はFUMI理論研究所のホームページで公開されていて,インターネットから無償で利用できます。