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医療機器の国際的な情報交換のための基盤整備に関する研究

 本研究は、厚生労働科学研究費補助金により、名古屋市立大学及び国立医薬品食品衛生研究所と共同研究を実施したものです。また、アンケート実施には、NPO法人Health Vigilance研究会、(社)千葉県薬剤師会、(社)千葉市薬剤師会の協力を得ました。

研究の目的

 医療機器は、医薬品と比べて、その種類や使用方法が多彩であり、また、製品の世代交代が早いため、我が国で承認・認証されている医療機器を網羅的に収載したデータベース(DB)はなく、海外での回収情報の確認や日本からの輸出の際に不便を生じています。本研究では、医療従事事者へのアンケート、海外DBの調査も踏まえ、我が国で販売されている医療機器を網羅的に確認できる医療機器DBの要件について調査検討しました。

研究の方法

 NPO法人Health Vigilance研究会、(社)千葉県薬剤師会、(社)千葉市薬剤師会の薬局薬剤師に対するwebアンケートでは、医療機器DBの収載項目についての必要性、更新頻度、既存DBの認知度について調査を行いました。医療機器DBについては、インターネットからアクセスできる海外DBを参考に、現在PMDAより公開されている既存DBとの連携を図り、利用者の利便性の高いものとするよう、要件定義書の検討を行いました。また、合わせて、医療機器DBへのデータ蓄積の障害になりうる事項についても検討を行いました。

結果と考察

 アンケート調査では、添付文書、回収情報、不具合情報及び医療安全情報のニーズと認知度が高く、月一回程度の更新が求められていることが判明しました。海外DBではFDAのDBが確認できましたが、基本的には項目毎に検索するタイプで、横断的な検索機能はありませんでした。医療機器DBの本体に格納するデータは、必要性の高い項目に限り、既存DBとリンクする方針とし、新規の製品は承認・登録時に逐次追加するのが適当と考えられました。検索画面では、販売名または一般的名称はあいまい検索とすること、承認番号、JMDNコードでも検索できるようにすること、製造販売業者からの更新機能を持たせること、品目情報に英語名を入れることとしました。システム構成について、現在、PMDAでは、平成26年からの「最適化次期システム」の検討が進んでいることから、医療機器DBは既存の「医薬品・医療機器情報提供システム」とは独立したDBシステムとして扱い、最終的に最適化次期システムに組み込む方針としました。

結論

 医療機器DBは行政、企業に加え、医療関係者や患者・消費者にとっても、有用な物になると期待されます。また、医療機器DBへの掲載を契機に、承認申請等の電子化を進めることにより、医療機器審査業務の効率化が進むことも期待されます。
研究班報告書の詳細については、「厚生労働科学研究成果データベース http://mhlw-grants.niph.go.jp/ からご覧ください。