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薬剤師、医師、製薬企業への医療用医薬品添付文書アンケート調査について

 添付文書を使用する側、作成する側の双方の問題点を調査し、両者の意見を比較解析するために、添付文書を作成・管理する製薬企業及び使用する医師、NPO法人Health Vigilance研究会の薬剤師を対象にアンケート調査を行いました。

 医師、薬剤師ともに医薬品に関する重要情報の主要な入手手段は添付文書でした。添付文書の記載順序については医師、薬剤師、企業ともに支持されていました。一方、相互作用欄の一覧表形式については、現行でよいとの意見が過半数であったものの、表形式でよいが不十分との意見が医師、薬剤師で多くみられました。

 健常人で併用による薬物動態変動が大きい場合の情報提供については、医師、薬剤師では相互作用欄と薬物動態欄が拮抗していましたが、企業では相互作用欄記載が多数を占めていました。In vitro試験で強い相互作用が認められた場合の情報提供については、医師、薬剤師ではその他の注意としての記載を求めていましたが、企業では相互作用欄に記載との意見も多くありました。

 食品類による血中レベル変動が多い場合、医師、薬剤師は相互作用欄への記載を求める意見が多くありましたが、企業は副作用の報告がある場合に限って記載するとの意見が多かったです。相互作用欄での薬剤のグループ記載については、医師、薬剤師はグループ名と個別の薬剤名の併記を求める意見が多くありましたが、企業はグループ名と代表的な医薬品名のみの記載の意見が多かったです。

 医師、薬剤師に対し、文献や学会発表等での副作用の反映が十分か質問したところ、医師では十分とはいえないとの意見が過半数でした。企業に対し、臨床上の相互作用情報をどの段階で添付文書に記載するか質問したところ、因果関係が認められた段階、国内規制当局から指示があった場合との回答が多くありました。同様にIn vitroの薬物動態相互作用のデータについては、関連情報の集積を待つとの意見が多くありました。企業にとっての添付文書改訂の障害は、関係会社、開発元(本国)、国内規制当局との調整があげられました。

 本研究の詳細(英文)については、Jpn. J. Drug Inform., 14(1):2-13 (2012) https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjdi/14/1/14_2/_pdf よりご覧いただけます。