楠文代

特定非営利活動法人 Health Vigilance研究会 監事
東京薬科大学名誉教授(薬学部 分析化学)
専門:分析化学 電気化学
略歴:東京薬科大学薬学部卒、東京薬科大学薬学部実験助手・助手・講師・助教授・教授、
(独)医薬品医療機器総合機構専門委員、(一社)東京薬科大学同窓会東薬会会長など

研究領域
 1948年高知生まれの私は, 1954年の第五福竜丸事件が漁業の町の新聞紙上を賑わしたのは物心付いた頃で,何か大変なことが起ったと感じました。しばらくして放射性物質の測定がマグロの安心を市民に届けたことを知り,“測定は善“というイメージが私の中に刷り込まれました。東京薬科大学で薬学を学び、その後気が付いてみたら分析の道を歩んでおりました。
 1971年上野桜木にあった母校の女子部薬品分析化学教室の実験助手として採用していただいた私は、高村喜代子教授のご指導のもとで電気分析化学の研究にのめり込んでいきました。薬学領域で医薬品や生体試料の電気化学分析を手掛けて行くうちに、電気化学検出高速液体クロマトグラフィーを多用するようになって、さらに高感度化・高精度化を効率的に進めたいと思っていました。そんな折にFUMI(相互情報量の関数Function of Mutual Information)理論の創始者林譲先生に出会いました。電気化学検出HPLCへのFUMI理論の実証実験を、共同研究者の小谷明先生が成功させて、高効率なシステム管理に繋げる事ができました。
 それを機に、邪魔者と思っていたノイズが貴重な情報を持っていることを知り、ノイズに対する見方が変わりました。さらにその延長として薬局の持つデータが人々の健康に関する情報を持っているのはおもしろいと思っています。

近況
平成26年3月末に43年間お世話になった東京薬科大学を定年退職致しました。退職以後の生活を準備中と言ったところが正直な感触ですが、1)非常勤的な仕事としての教育と研究、2)東京薬科大学同窓会活性化の任務、3)地域の皆様との交流等を手掛けています。
家族に関しては、1)娘(故、楠ふき子)の絵本に関する活動をつづけています。活動は、ホームページでの日記作成(http://www.creatorsworld.net/kusu/index.html)、楠ふき子絵本シリーズ書棚「こころあたたまるえほん」の電子書籍出版、絵本原画の展示などです。2)天保から明治初期の楠家の古文書の解読を学んでいます。3)ご近所の方の助けを得ながら、主人と共にチューリップ畑や雑木林の手入れをしています。原画やチューリップ、紅葉が売りのKUSUTTO HOUSEへの来訪歓迎です。

趣味
以前の趣味は、華道、雑木林の散策、水泳だったのですが、近況に書いたような絵本関係、古文書解読、雑木林の手入れに入れ替わりつつあります。体を動かしたいので、秋からはテニスをしようと計画していますが、はてさてどうなることでしょうか。