矢島毅彦

特定非営利活動法人 Health Vigilance研究会 理事(前理事長)
東邦大学名誉教授(薬学部薬品分析学)
専門:分析化学
略歴:東京大学薬学部卒、田辺(現田辺三菱)製薬研究員、東邦大学薬学部教授・学部長、(独)医薬品医療機器総合機構専門委員など

研究領域
人間の病気や健康の諸問題に物質のレベルで取り組みたくて薬学部に進学しました。当時(1960年代前半)、作用機構が物質レベルで説明のできていた薬の一つが抗生物質でした。私は化学療法剤の選択毒性の考えに惹かれて、特に抗生物質を専攻し、その化学から生物学、その他関連領域を広く勉強し、研究対象としてきました。これらの研究における方法論の90%は分析科学(分離分析、定量分析)であったと言ってよいでしょう。従って、東邦大学薬学部薬品分析学教室における「生体成分や生命活動に関わる、薬物を含む様々な外来因子の微量分析」という研究にも違和感無く入ることができました。
 薬品分析学教室において分析科学の理論を基礎から学び直し、応用していくうちにケモメトリックスに出会い、林譲博士を識り、FUMI理論に親しむようになりました。FUMI理論は分析化学の必要に応じて生まれた理論であり、我々分析屋にとっては大変有難い理論ですが、これが様々な社会現象の解析応用出来ること、特に薬局データの解析により様々な健康に関わる情報が引き出せることは、薬学人として大変に興味深いことです。
 現在は、私の定年退職の頃設立されたNPO法人「ヘルス・ヴィジランス研究会」(ヘヴィ研)を拠点に、薬局薬剤師の方々の協力を得て、どのような情報をどのように薬局から発信して行くかの研究を進めており、薬剤師の積極的社会貢献の一助になればと願っています。

近況
齢古稀を迎え、如何にお世話になった社会にお返しをするかを考える毎日です。そんな中の1つですが、某大学医学部での模擬患者(SP)のボランティアがあります。症状、病因、随伴症状、治療法などかなりの下調べを要するので勉強になっていいのですが、つい教師根性が出てしまうのか、後で学生に「試問を受けてたみたいだ」と言われて反省することもあります。もう1つに、学会活動や研究活動に熱心な薬局薬剤師の方々への助言があります。これを通じて第一線薬剤師の皆さんの問題意識が那辺にあるかを知ることができ、いずれ薬学教育にフィードバックしたいと思っています。家庭では、妻と二人で犬(柴犬、雌)にかしずいたような生活を送っています。

趣味
もともと好きだったクラシック音楽を聴くことに加えて、冷厳な科学の世界から離れた情緒の世界(美術、文学、歴史など)に遊んでいます。これらを一気に満たせる国内外の旅行には、体が動くうちでなければとの焦りもあり、特に力を入れています。動ける体を維持するために、フィットネスクラブなどにも通っています。